イケメン高校生と美人肛虐女医
僕、イケメンなんて言われてる、高校一年男子。
今、家からちょっと遠い、とある肛門科の病院の前にいる。
実は僕、今日こそココの病院で自分のおしりの穴を診てもらおうと思ってやってきたんだ。別に、痔だったりする訳じゃない。
先生がこの辺で評判の、美人の先生、なんだ。
歳はおそらく20代後半から30代前半。しっとりとした、それでいて瑞々しい感じのする大人の人だ。そのカラダも、ふっくらとしながらも締まっているところは締まっているって感じ。
まるで品のいい奥様っていうか、アザミネーゼ・シロガネーゼだなんて、話にもならないくらいなんだ……。
その美人女医のあの人に、僕のおしりの穴を診察してもらう……、僕はそのことを想うとたまらなくなって、つい何度も、オナニーしてしまった。
ああ、あの人におしりを診られ、いじられたら、なんてステキなことだろう……! そんな妄想を重ねた僕はとうとう決心し、今この病院の前に来て、そしてドアを開けようと、している……。
「──様ですね、お掛けになってお待ちください」
僕は、いかにも地味でサエない受付嬢に保険証を返してもらうと、ただ、ひたすらその時が来るのを待った。
時間は午後4時30分を、すこし回ったところ。うまく行けば、僕が最後の患者だ。
次の患者のせいでせかされて、ハイおしまい、なんてやられたら、ここにせっかく来た意味がなくなってしまう。僕はもう人が来ないよう、ただひたすら、声に出せない祈りを念じた。
いっぱいワガママを言ってじっくり検査してもらう、それが僕の願い、なんだ……。
僕の前で診察を待っている患者さんは、どこかの普通のOLって感じのひと、一人だけ。この人が終われば後は僕、ひとり。ああ、ハヤク先生に診られたい! そして、そして……。
「それじゃ、次の方どうぞ」
とうとう願いが叶って、待ちに待ったその瞬間が、やって来た。
僕は軽く身繕いをすると、意を決して診察室に入った。時間は5時10分前。次の患者さんは、たぶんもう来ない、はずだ……。
「どうしたのかなぁ、今日はぁ?」
「あ、あの……」
その美人女医の先生が僕の前にいるというだけで、僕はたまらなさと緊張とがいっしょくたになって、言葉がなかなか、出てこなかった。
ここに来る前はあんなことも、こんなことも、とシミュレーションしてきたというのに、思い通りにならない自分自身が、とても、もどかしい。
そんな僕を、先生はシャイな子だと思ったのか、この世のものとは思えない優しい瞳で僕を見、
「恥ずかしいのかなぁ? 先生に言ってくれないとぉ、悪いところ治らないよぉ」
と、舌足らず気味なんだけど、とても甘美な声で問いかけた。僕は必死で、シミュレーションの通りに答えた。汗がじっとりと、背中に滲む。
「あ、あのう、2、3日前からおしりの、おしりの方が痛いんです」
「どんな感じでぇ、痛いのかなぁ?」
「な、なんていうか、その、しこりがあるっていうか、う、うんちするときに引っかかって痛いんです」
やっと、答えられた。
切れたとか裂けたとかでも理由はあったけど、それだと診てもらうだけで、いじったりはしてくれないんじゃないだろうか。そう思って、答えた。
そうすれば、どこにしこりがあるのかをきっと、指できっちり触診してくれるに、違いない……。
ああ、僕のおしりの穴に、あの、美人女医の先生の、白魚のような綺麗な指が、は、入ってくるなんて……。僕は、診察の時勃起してしまったらまずい、そう思って数学の超難問とかを念ずるように、思い浮かべた。妄想が爆発しかけている。
「じゃ、そこにズボンを脱いで座ってねぇ」
僕は、指示された診察台にズボンを脱いで座った。先生の前で脱ぐなんて、ちょっと恥ずかしかったけど、ズボンを脱がなきゃ始まらない……。
その間先生は治療に使用するらしい、いろいろな医療用品を用意していた。その道具の数々に、様々な妄想がアタマの中で駆け巡った。
僕が、あんな道具や、こんな道具でいじられてしまうんだ……。そう思ったら、もうパンツがはちきれるほど勃起してしまいそうだった。あわてて妄想を、かき消す。
「じゃそこに靴を脱いでからぁ、四つん這いになって上がってねぇ」
先生は僕が四つん這いの体勢をとると、10cmちょっとの穴の開いた大きい白い布を僕のお尻に被せ、手術用らしい薄いゴム手袋を、はめた。
先生の手袋をはめた手がすごく生々しく光っているのを見ると、ああ、ホントにいよいよなんだなあって考えたら、動悸が早くなって、なんか苦しい。まだ、冷静になってないといけないのに……。
「じゃぁ、パンツを膝まで下ろしてくれるぅ?」
僕は爆発しそうな心臓を抑えて、言われる通りパンツを下ろした。白い布のおかげでおそらく見えないんだろうけど、もう超難問も効かないくらいに、僕のおちんちんが大きく脈を打って、動きだしはじめた。
おしりの穴なんて、人に見せたことなんかないものだから、確かに自分で望んだコトとはいえ、見られていると思うと、とっても恥ずかしい……。
そんな恥ずかしさが、でも、なんか気持ちいい。
美人女医の先生はどんな顔をして僕のおしりの穴を見ているんだろう。振り向いて見たかったんだけど、顔を合わせると余計恥ずかしくなりそうで、出来ない。
「見た感じは別に問題ないねぇ。じゃ、触診してみようかなぁ……。ワセリン塗りますよぉ」
はい、と僕が言うと、先生は用意してあったワセリンを、僕のおしりの穴に丁寧に塗り込んでいく。
あっ。
と、思わずその甘い感触に声が出そうになって、それをこらえるのにすごく精神力が要った。先生の指の動きがあまりにも滑らかで、それでいてやさしくて、繊細だったから、とても感じて、しまう。
そんなことをされれば、もうおちんちんは硬くなるのを控えてはくれなかった。先っぽの方がじんわりと濡れていくのが、なんとなくわかった。もう超難問とやらはどこかに消え去ってしまっていた。ただ、アタマの中が真っ白になっていく……。
「じゃ、ちょっと指を入れてみるよぉ」
「あっ」
美人女医の先生の、確認の甘い声がしてすぐ、その白魚のような細くやさしげな人差し指が僕の中に、ゆっくりと入っていった。まるで犯されていくみたいに、思えた。
僕はあまりの快感に思わずこらえきれなくなって、つい、声を出してしまった。そして出してしまった後、とても恥ずかしくなってしまった。
僕の心の叫びを、こんな綺麗な人に見抜かれてしまったみたいに思えて、なんとも言えず、いたたまれなくなった……。
「痛いかなぁ?」
「い、いえっ……、……だいじょうぶ、です……」
どうやら先生には、まだ気づかれてないようだった。でもおちんちんがビクンビクンと波を打っているのが、きっとおしりの穴にも伝わっているだろう。
お医者さんなんだから、わからないわけがないし。
でも、やっとの思いで先生に答えた時、ふっと振り向いてみると、その表情は真剣そのものに、見えた。余計なことなんか、絶対に考えていなさそうだった。
そんな先生の眼差しがまた、たまらなく、いい。
触診はしこりを探すためなのか、念入りに行われてゆく。僕は、先生が直腸内をまさぐるたびに感じてしまい、つい、おしりの穴で先生の指を締め付けてしまったりした。
「も、ちょっと力抜いてねぇ」
「は、はい……、すみません」
わかっているんだけど、あんまりにも気持ちよくって、つい締めてしまう。特に前立腺のあたりやおしりの穴の、しわしわに近いところなんか、すごい。ヘタしたら、自分で腰なんか、振ってしまいそうだった。
危ない、あぶない。
「特にしこりとかはないわねぇ。じゃ、抜きますよぉ」
もう終わり? ああ、やめないで……。
なんて、ついそう思ったんだけど、さっき見た、用意されたいろいろな道具で、あるかも、知れない……。
「はい」
ここはとりあえず、素直に答えた。
なんとも無いって言われたら、ゴネて次の検査を要求すればいい。きっとなにか、してくれるだろう……。
すると先生が、口を開いた。
「じゃあぁ、中を診ますからぁ、この肛門鏡って言うんだけどぉ、これ使いますよぉ。痛かったら言って下さいねぇ」
信じられなかった。
さっき見た時に確かにそれがあったのはわかってたんだけど、まさか、いきなり願いが叶うなんて……。
でも、もしかしておしりの穴が開かれた時に、僕のうんちなんか腸の奥からノゾイテたりなんかしたら、どうしよう……。
そういえば、ここに来る前、応答シミュレーションに夢中で、そんなことなんか、全然考えていなかった。しまったな、と思った。
だけど、もうここまで来た以上、引き返せない。
でも、そんな恥ずかしい思いをするのが、いいかもしれない、なんて、考えたりしてしまった……。
「じゃあぁ、入れますよぉ。深呼吸してくださいねぇ」
言われた通り深呼吸した。深く息を吸い込み、ゆっくりと息を吐くと、
「はい、入れるよぉ」
可憐な声とともに、僕のおしりの穴にヒヤリと、冷たい感触がした。
肛門鏡がゆっくりと、入っていったみたいだった。先生のやさしい心が表されているかのように、とても慎重な挿入だ。
指よりも大きかったから、ちょっとだけきついかな、とも感じた。でも、そのあとに、気持ちいいことが待っているって思うと、そのきつさが、また、いい……。
「はい入ったよぉ。じゃ拡張しまぁすぅ」
キシキシと、ネジを回す音がしたと同時に僕のおしりの穴が段々と拡がってゆく。
ああ、診られるんだなあ……、そう思ったら、恥ずかしいんだけど、なんだかワクワクする。
ああ……、はやく診て! 僕を、おなかの中まで、ああ……たまらない! 僕のおちんちんも、もう破裂しそうだ……。
「じゃぁ、スコープ入れますよぉ、なんかヘンだなって思ったらぁ、言ってくださいねぇ」
スコープ! てっきり、内視かと思ったのに。
と言うことは、ホントに奥まで、診・ら・れ・る……! きっと、入り口付近をよく診る為なんだろうけど、
「は、はい」
そう答えながら、もっと奥も、ああ、僕のいろんな恥ずかしいところ、診て欲しい。そんな気持ちが恥ずかしさより強くなって、もうどうにでもして欲しくなった。ああ、先生、せんせい……。
「はあぃ、入れますよぉ」
先生は僕の、きっとみっともなく開いているはずのおしりの穴にファイバースコープを挿入すると、診療台の僕から見て右後方にあるモニターを真剣に見つめ、しきりに位置をずらしながら、あれこれと、チェックしている。
僕も思わず、見てみたいな、と思った。
どんなに恥ずかしい形をしているんだろうか。汚らしいうんちなんか、ノゾイテないだろうか……。
僕は、ちょっとした思いつきを口に出そうとした。決心するのにちょっと、戸惑う。
だけど、せっかくここまで恥ずかしいことをしたんだから……。
「あ、あの……」
「何かなぁ? 痛いところあるぅ?」
「よ、よくインフォームドコンセントって、言うじゃないですか、ぼ、ぼくにも、モ、モニターを見せてどこがどうなってるのか、教えて、くれませんか?」
言ってしまった。
僕の腸の中を、こんな美人の先生に解説させるなんて、今考えたにしても、なんて大胆な思いつきなんだろう。
ああ、あの甘い声で、僕の、いやらしい体の中を、どんな風に、言葉にするんだろう……。
想像も、できなかった。
いや、モニターを見るその柔らかっていうか、上品な美貌をみるだけでどうにかなってしまうかも、知れない……。
「いいわよぉ。じゃ、モニターを頭のほうにもっていきますよぉ」
やった。
先生はさっそく、滑車のついたそのモニターが乗ってる台を僕の頭の方まで持ってきて、モニターを僕の顔の方向へ向け、説明してくれた。
「いいかなぁ。ここのね、部分。普通ひっかかって痛いって言うとぉ、ここの部分に何か変化があるはずなんだよねぇ。でもぉ、全然そういうのないんだよねぇ。うぅん、神経的なものかも知れないしぃ。とにかく何もなくってぇ、とってもキレイよぉ……」
先生はホント、舌ったらず気味の甘すぎるくらい甘い声で、僕の、モニターに映っている、直腸の入り口、おしりの穴の裏側って言うのか、その部分を指差して、真剣だけど柔らかくてやさしい表情で、解説してくれる。
僕の腸の中、初めて見たんだけど、なんかピンク色していて、意外ときれいだった。
だけど、ぬめっと光っていたものだから、自分のイヤラしさがそこに現れているように思えて、なんだか恥ずかしい……。
スコープにランプがついているタイプらしく、くっきりと鮮明に映っていた。それにしても、汚いものが出るところが、こんなにキレイだなんて、ちょっと不思議な感じが、した。
それにしても、ああ、神々しいほどの美貌の先生に、僕のこんなところを、どうしても欲望のためとはいえ、詳しく説明させてしまうなんて、なんてゼイタクで、なんて罪深いんだろう。
こんな、イケナイことをしてしまった後じゃ、もう後悔しても、いや、後悔する気なんか全然ないんだけど、でも、バチが当たっても仕方ないとも思うんだけど、とにかくそんなうしろめたい気持ちが、いっそう僕の、イヤしい欲情を高めていく……。
幸いうんちがノゾイテいなかったのが救いだった。あんな汚いもの、先生に見せてしまったら、ちょっとマズイ。
先生も、わかっててモニターを見せてくれたんだろう。
もう、いろんな意味で汚い部分は見せてるんだからそう思うのって、おかしいのかも知れないけど……。
「先生、スイマセンけどお」
と、急にどこかから、なんだか甲高くて不快な声が、響いてきた。
「先生、もう時間になりましたんで、上がらせてもらいたいんですけど。アタシ、今日デートなんですよー」
受付嬢の声、だった。
「はぁい、じゃちょっと待ってぇ。……じゃあ、少し待っててねぇ、すぐ戻りますからねぇ」
僕に優しく声をかけると、先生は、あのさえない受付嬢に呼ばれて去っていった。
【まったく、気のきかないバカ女め……、おまえがデートなんて百年早いダロ……】
と僕は、せっかくの楽しい時間を邪魔されたのもあって、我ながらそんな勝手なことを思った。
ふと、薬品ケースの上に掛けてある壁時計を見ると、もう5時を20分以上も回っていた。
「ごめんねぇ、待たせちゃったねぇ」
「……いえ、そんなこと、ないです……」
何分かして、先生が受付から戻ってきた。
まさかと思うんだけど、先生がこのまま戻って来なかったらどうしようかな、なんて、思ったりした。
それに、なんだか放置プレイみたいで、ドキドキしてしまっていた。
僕はなにせ、ずっと四つん這いになってお尻を突き出したままでいたから、こんなマヌケな格好をしていると、まるでご主人様の帰りを待つ飼い犬のような気分に、なる。
そう、僕は、いっそのこと、先生のペットになりたい……。ポチ! なんて呼ばれて、それでわんわん、なんて可愛く吠えてみたりして。
「えぇと、スコープで診たんだっけぇ……、何か質問とかあるかなぁ?」
「え、あの……」
僕は困ってしまった。なにか質問しなければ、この甘美な時間が終わってしまう……。でも、何も思いつかなかった。どうしよう……。
「ないのかなぁ?」
「あ、あの、さっきのモニター、途中だったから、よくわからないんですが……」
と、とりあえずデマカセを言ってみた。
なんとか、先生といる時間を引き伸ばしたい……。もう、何かに祈るような気持ちだった。
「あ、そぉ? じゃぁ、もう一回スコープ入れるわねぇ」
先生は、受付に行く時に僕のお尻から抜いていたスコープをアルコール消毒すると、また挿入して、さっきよりも、もっと丁寧にモニターの方を見ながら、説明してくれた。
そんな、一生懸命やってくれる先生に悪いんだけど、なんだかさっぱり頭に入らない……!。
先生が熱心に解説してくれるその、顔があまりにも美しくて、綺麗なものだから、そっちの方につい、見とれてしまう……。こんなことじゃすぐに、せっかくの楽しい時間が終わってしまう……。ああ、どうしよう、どうしよう……。
「わかったかなぁ?」
もう、だめだった。
よくわからない、とか言ってごまかすことなんか、真剣に説明してくれた先生に、これ以上出来るわけない……。仕方なく、
「は、はい……、わかりました……」
そう、言うしかなかった……。
「じゃぁ、肛門鏡抜くよぉ」
先生がそう言うと、ネジをキシキシと緩める、悲しい音が聞こえてきて、やがて意外なほどスムースに、僕のお尻の中に入っていたものが、すぅっとなくなった感じがした。まだ入っていた時の感触が、結構残っていたりするんだけど……。
「はい、じゃ終ったからパンツとかはいていいわよぉ」
そう告げられると、言われるままに僕は、パンツをはいてズボンを着けた。
そして着け終わった時、なんだかとってもサビシかった。
先生との、夢のようなステキな時間が、あっという間に過ぎてしまったのかと思うと、カッコ悪いようだけど、すごい、泣き出しそうになった。もう、もう終りなんですか、って、思わず叫びたくなってしまったくらい、だった。
でも、こんな綺麗な人の前で、お尻を見せるよりもみっともない姿を、見せたくなかったし、見られたくなかった……。
僕は先生の可愛いペットでいたいから、恥ずかしい姿を見られてもいいけど、みっともなくなっちゃ、いけないんだ……。アンビバレント、なんて単語が僕の頭にふっと、よぎった。
そう、思わず唇を噛みしめながら覚悟していた時、先生が、こう言った。
「じゃ、カウンセリングした方がいいかなぁ、もし時間大丈夫だったらぁ、だけどぉ」
……え、
ウソだろう!?
「あのねぇ、先生ねぇ、キミのその引っかかる感じっていうのぉ、きっとぉ、心理的なものが原因だと思うんだよねぇ……。直腸内にはぁ、異常部位とかがどこにも見受けられなかったしぃ、もちろん肛門にもそれはなかったよぉ」
「は、はい……」
「……と、言うことはきっとぉ、キミの生活上において何かそういうストレスぅ、みたいなことがあるんじゃないかって思うんだよねぇ。それがぁ、おしりの方にきてるんだって感じかなぁ……」
「は、はぁ……」
「で、先生ぇ、そういう患者さんたちの為にカウンセリングをやっているのぉ。どうするぅ? 今でもいいしぃ、また次の診療日にやってもいいよぉ……」
僕は、あまりに意外な展開だったから、スゴく驚いてしまい、一瞬何も考えられなかった。
ぼ、僕のために、もう診療時間もかなり過ぎてしまっていたにもかかわらず、カ、カウンセリングだなんて……。
驚きから、やっと我に返ると、僕は先生に、ハイ、と返事をしていたらしい。いつのまにか先生に手を取られて、別な部屋に連れて行かれていた。
柔らかくて細い手の感触だけが、ただ僕の手に強く残った。
「はぁい、じゃあここに座ってねぇ」
先生に言われて僕は、その八畳くらいありそうな広さの部屋の、中央辺りに置かれていたパイプ式の丸椅子に座った。
そして先生が僕の前の、木で出来た薄くて黄色い天板の、おしゃれっぽいテーブルの向こうに置かれていた、もう一つの椅子に座る。
先生とあらためて向かい合ってしまうと、なんだかドキドキしてしまう。
なんてステキなんだろうって、素直に思ってしまう。
あらためて、先生の顔なんか見ると、白く透き通った肌に、上品なワインレッドの口紅がよく似合っていた。
栗色の、軽いカールの掛かったロングがまた、先生の美貌を一段と引き出している。
白衣を着けた細い体は、出るところも出てて、それでいてしなやかさを失ってはいなかった。むしろみずみずしい様に思える。弾けていそうでいて、でも、決して緩んでいないっていうか、そんな感じに、思えた。
「じゃあ、何から訊こうかなぁ……、あっ、楽にしてていいよぉ……」
うれしくて、緊張してしまっていているように見えたらしい。僕は小さく頷いた。
この部屋は、僕らが使っている椅子やテーブルの他には白い壁と、こういう部屋には普通の大きさの窓と、それを覆うクリーム色のカーテン、それに、何故か紺色の、なんて言うのかな、カーペットなんかで使うような布で覆われた、二人ぐらいで座る感じのソファーなんかがあったりした。
僕はそのソファーを見て、先生と恋人同士とかになって、隣り合わせに座れたらどんなに幸せだろうか、なんて思った。
先生、あそこのソファーに座りたいな、ってすぐに言い出したかったんだけど、まだ少し早いような気がして、言い出せなかった。
「そうねぇ、例えばぁ……、何か悩みごととかあるのかなぁ?」
切り出してきた。
先生は相変わらず、真剣な表情だった。僕が、いやらしいことを考えて向かい合っているなんて、考えもつかなそうだった。僕はそう訊かれて、
(悩みごとは、先生とイヤらしいコトがしたくてたまらないってことです……!)
なんて、言ってみたかったけど、いきなりそういう訳にもいかないだろうから、とりあえず、
「えぇと……、最近勉強についていけないこととか……、授業が難しくって……」
そう、また一つ嘘を言ってしまった。
本当は僕、学校のテストでは結構上の方にいたりする。勉強もそんなにキライじゃないし。
もっともここに診察しに来たこと自体、嘘、なんだけど。
「先生も、高校の時は勉強大変だったよぉ……」
真剣だけど、どこか潤んだ瞳で、話してくれた。
僕は黙って頷く。
あまり喋ったりして、ボロが出たらマズイかなって急に思ったものだから、ここはなるべく、おとなしくしていよう、と、自分に言い聞かせた。
「その時はずいぶん悩んだんだよねぇ……」「はぁ……」
「あたしもぉ、そんなには勉強できる方じゃなかったんだよぉ……」
潤んだ瞳のまま、先生はふと、僕から目を離して、少しだけ上を向き、呟くように言った。少しだけ開いている口元が、何だか僕に何かを訴えかけるように思えて、イヤラしい感じがした。
「……でも、今はこうしてるからぁ、ま、よかったかなぁ?」
と、今度はイタズラっぽい眼をして、僕の方を向いて、笑顔で言った。
どんな表情になっても、素敵で、たまらなかった。
あんまりにもキレイなものだから、ますます僕は、何を言えばいいかわからなくなってしまう……。
でも、結局黙っているしか、ないものだから、先生との空気がどことなくカタく感じられて、時間の過ぎてゆくのが焦れったい。なんだかすごくアセる。でも、どうしていいのかわからない。困った。どうしよう……。
「なんかカタイなぁ。そうだ、あそこのソファでゆったりしよっかぁ?」
あ。
展開が早い、と思った。
さっき、確かにあそこのソファに座りたいなって思ったけど、ちょっと思惑通りに進み過ぎるんじゃないかって、感じがした。
でも、どうしていいかわからなくて困っていたから、それはよかったけど。
もしかして先生って、僕を誘ってるんじゃないか、なんて、つい考えてしまう。
でも、そんなの、いくら図々しい僕でもそこまで考えるのって、なんだか悪いっていうか、ちょっと自惚れてるかも。
確かに僕って、みんなに言われている通りイケメンかも、なんて思ったりすることもあるけど。
同じクラスの女の子なんかに、結構コクられたりするし。
でも、あんな若いだけの、なんかウルサイだけの女子なんて、いま目の前にいる先生と比べるのも、気分が悪いくらいだ。
先生だって、きっと、いろんな人と付き合ってきたんだろうから、きっと僕なんて、コドモ扱いとか、してるに決まってる……。
そんなことを考えてると、先生が、
「さ、行こうよぉ」
「あ」
と、手を取って、半ば強引に僕をソファの方へ連れていく。もちろん僕も、どこかの下僕みたいに、ただ従うのみ、だった……。
でも、なんか、いいように連れまわされているみたいなのが、ちょっとウレシイ。
「さ、座ってねぇ」
そう言われて、ソファに腰を沈めた。フワッとしてて、落ち着くまで少し戸惑う。少ししてどうにか落ち着くと、先生が飲み物の入った大きめのグラスを持ってきて、そして、僕のすぐ隣に座り、
「じゃあ、これでも飲んで落ち着きなよぉ」
と、グラスを差し出した。氷の入った、コーラだった。
「は、はい……、すみません……」
「いいよぉ、気なんか使わなくってぇ」
こんな、飲み物まで持ってきてくれるなんて、ホント、どうなってるんだろう。気を使わないで欲しいのは、僕の方だった。いっそう、僕は緊張してしまう……。
と、同時に、さっきの、先生が誘惑しているんじゃないかって思いが、真実味を帯びてくるようだった。
「じゃ、続きを始めようか、なぁ……」
先生は、こんな僕の思いなんか気にしないみたいに、明るくてステキな笑顔で僕の方により近づいて、そう言った。
その距離は、女の人らしい匂いが強く匂うくらいの位置、だった。
甘いような、ミルクっぽいような感じの、先生のそんな匂いが、また、診察室で感じた時のような興奮を呼び戻す。
あぁ、先生。
あんまり、僕を刺激したり、しないで……!
そんなに近づいてきたら、なんだかヘンになりそうで、たまらなくなって、しまうよ……。おちんちんだって、また、カタくなってきそうだ……。
僕は、先生に今の気持ちを悟られないようにするので、精一杯だった。背中の方に汗がまた、滲んでくる。
にもかかわらず先生は、
「さ、リラックスしてねぇ」
なんて、言いながら、いつのまにか知らないうちに、僕の太ももに手なんか置いたりしてる。
どうしてこんなに、さりげないんだろうか。すっかり僕は、驚かされてしまう……。
そこから先生の暖かくて、やわらかい肌の感触が徐々にだけど、直に伝わってきた。さらに欲望が、高まってくる……。
でも、どうしよう。
もしボッキしてしまったら、ズボンから動きが伝わって、先生にわかってしまう。そんなの、いまさらって気がするけど、なんだか恥ずかしい……。
とにかく落ち着かなきゃいけない。そう思って、僕はとりあえずコーラに口をつける。
先生が、まず切り出してきた。
「ねぇ、じゃぁ、他には悩みごとぉ、ないのかなぁ? キミくらいの頃だとぉ、ほらぁ、同じ高校の子とかとぉ、いろいろあったりしないかなぁ?」
「……ぼ、僕、そんなの、別にな、ないですよ……」
なるべく、無難に答えようとした。
もっとも、僕が女の子といろいろあったりしないっていうのは、本当のことだ。だって、その辺の若いっていうだけの女の子なんかよりも、先生と、ああ、いま目の前にいる先生と、どうにかなりたいんだから……。
「ウソだぁ。だってぇ、なんかカワイイ顔してるしぃ、モテそうな気とかぁ、するんだけどなぁ……」
カワイイだなんて言われて、思わず顔が緩んでしまいそうになる。先生って、なかなかウマいなあ、って思った。
「もしぃ、先生がキミと同じクラスだったらぁ、カワイイから付き合っちゃうかもぉ。……勉強が忙しくてぇ、それどころじゃないのかなぁ……?」
そんな、思わずビックリするようなことを言いながら、先生は僕の顔に手を差し伸べてきた。
それはゆっくりとした、外国の映画に出てくるみたいな貴婦人って感じの、優雅なまでの動作だった。僕はもう、なにかの魔法をかけられたみたいに、ただ、なすがままになってゆく……。
そして、ペットをかわいがるようなやさしい手つきで、僕の顔の輪郭を、いとおしむように包みこんで、
「ホント、カワイイわねぇ……」
と、ウットリしたように、吐息みたいに呟いた。
もう単純にウレシかった。なんだかホントに、先生のペットになったような、夢みたいな気持ちだ……。
でも。
なんだか、とまどいみたいなものも、正直感じてる。
だって、なんだかうまくいきすぎてるって感じ。
僕を誘ってるのなら、もう、そりゃあ喜んじゃうけど、もしかして、年下の、ただの子供だと思ってからかってるんじゃないかって、ふと思ったりした。
でも、一応カウンセリングなんだし、それにまさか、一生懸命に僕を診てくれた先生がそんなイジワルな人だなんて、そんなこと、とても思えない。
思えないんだけど、なんだか不安になってしまう。なんとかして、先生の、ホントの気持ちを知りたい……。
そうだ。
先生がせっかく、僕の太ももとか顔なんか触ってきてるんだから、僕も、ちょっと勇気を出してどこかに触れてみたらいいかも知れない。
それでもし、先生がイヤな顔なんかするようだったら、きっと、僕が期待してるようなことはないんだろう。その時は、もう成り行きだけに任せよう。悲しいけど……。
僕にとって、聖なる王女様って言うしかない先生に、そんな、自分から触ってしまったりするなんて、ホントに勇気、いる。
いるけど、どうしても知りたかったものだから、まず、手を先生に知られないように、そっと、動かしてみることにした。
なんだか、緊張する。
先生は、けっこう長い時間、僕の顔を触っている。そんなにしていいのかあと思うくらい、だった。
僕はその隙に、とりあえず先生の色っぽい、黒のストッキングで覆われた膝に、そっと右手を置いた。暖かくて、やわらかな感触がその手から体中に伝わってくる。
どうかな。
と、先生の顔を改めてよく見た。ヒマワリのように大きくて柔らかな瞳が、すっかり潤んでいる。
だけど、それ以外で表情を変えたところはないみたいだった。気がつかないん、だろうか。それとも僕が、先生の体に触ってもいい、ってことなんだろうか。
なんだか、よくわからない。
僕は引き続き、その右手の、手のひらの力をほんの少しだけ強くして、もう一回、先生の様子を見た。
「ねぇ」
と、突然先生が口を開いた。
瞳が半開きになっていて、何か僕に甘えるような、ちょっと首を傾げた、おねだりしているみたいな表情だった。
「は、はい……」
僕は、急に言葉を掛けられたものだから、ついあわてて、右手を引っ込めてしまった。もう少し触れていたかったのに、と思ったんだけど……。
と、急に、そんなことを残念がっている場合じゃなくなって、しまった。
僕が返事をしてすぐ、先生は僕の右手を両手でつかんで、そしてそのまま、その手をふんわりと柔らかくて大きい胸のほうへ、なんと先生自ら、あてがってきた……!
「え? あ……」
僕は、驚いた。先生が、こんなに大胆なことをする、なんて。
まだ、今日初めて会ったばかりだって言うのに。
先生の胸は、ホント、手に吸い付くような、まるで、僕の手それ自体が、先生の胸を触るためにあるみたいな、それほど離れがたいっていうか、そんな感触だった。
なんだか展開がスゴくて、思わずぼぉっとしてしまう。
そんな気持ちと、驚きがいっぺんにきて、もう、パニックになりそう……。先生、ああ……、まだ、まだ僕には、そんな刺激は、強すぎます……。もう、もうどうにかなってしまうよ……。
ああ、こんなことが起こっただけでも、とってもヤバいっていうか、もう、大変なんだけど、さらに先生は、
「……触ってもぉ、いいよぉ……。先生、キミのことぉ、とってもカワイくってぇ、気に入っちゃったぁ……」
なんて言いながら、僕のおちんちんのあたりに、その右手を、優しく添えてきた……!
「あ、あっ……」
なんか、気持ちよすぎて、思わず、大きくあえいだ声を、出してしまった……。
それに、あまりに立て続けにやってきた刺激で、もう僕のおちんちんは、はちきれそうにボッキしてしまっていたから、それがすっかりバレてしまった……。もう、すっかり心の中を見られてしまったようで、たまらなく恥ずかしかった。
そんな、二重の衝撃が、ただでさえ気が狂いそうなくらい興奮してしまっていた僕に、さらなる追いうちを掛けていく。
「あぁ、元気、なんだぁ……。先生、なんだかうれしいなぁ……」
素直によろこんだみたいに、にっこりと微笑みながら、そう言うと先生は、今度は、僕のズボンのジッパーを下げにかかった。
とろけそうな、それでいて何故か楽しそうな、ワクワクしているみたいな表情になっている。僕は、金縛りみたいに、すでに動けなくなっていた。
そして、どこかの女優さんが、映画の中で絹のドレスをしなやかに着こなすような優雅な場面のように、優しくジッパーを下ろされてしまうと、僕のおちんちんは、もう、待ってましたと言わんばかりに、卑しい欲情を剥き出しにして、びくんびくんと、もう元気に弾けていた。
あまりの恥ずかしさで、どこかに行ってしまいたい気持ちも少しはある、僕の心を無視しているかのようだった。
「わぁ。なぁんか、おっきいんだなぁ……」
すっかり固まってしまっている僕とは別の生き物みたいに、跳ねるようにビンビン動いてるそいつを、先生は半開きだった瞳を少しだけ開いて、じっと見ていた。
そして、おちんちんの、ウラスジの方に手を持ってきて、その白くって繊細な指で、羽毛みたいに軽いタッチで、根元からゆっくりと、僕を焦らすようになぞってきた。
「あ、う……っ!」
僕は成すすべなく、体をすこしオーバーアクション気味にのけぞらせてしまった。
なんだか、カエルの筋肉に電流を流すみたいな、理科とかの実験材料にされているみたいな、そんな気分だった。ホントに奴隷になってしまったみたいで、もう恥ずかしさマックスって、感じ。
でも、そこがいい。
他ならぬ先生の実験材料に選ばれて、正直うれしかったりするし。
「……ねえぇ、診察中からぁ、こう、元気だったよねぇ?」
え?
先生、僕がおしりをいじられて、感じてたの、とっくにわかってた? 先生の、突然の質問に、僕はまたショックを受けた。
「診察してた時にぃ、もう、ビクンビクンってしてたのがねぇ、スゴイ伝わってたよぉ……。先生ねぇ、こんなカワイイ子がおしりで感じてるの見てたらぁ、なんだか先生もぉ、感じてきちゃった、よぉ……」
「はあっ、あう、うっ……!」
先生は、僕のことをすっかり見抜いていたみたい、だった。
その可憐とも言える唇から、次々に衝撃的な言葉が繰り出され、それと同時に、僕のおちんちんの、ウラスジからてっぺんのあたりまで、女の人らしい微妙なタッチで、やんわりと愛撫されてしまうと、僕は、もう、自分に正直になるしかないとカンネンして、みっともないあえぎ声を出しているしか、なかった……。
でも、そう心を決めてしまうと、なんだかすっかりラクになってきて、なんか、モノスゴイ快感がダイレクトにやってくるのを、全身で感じられるようになってきたのが、わかりすぎるくらい、わかるようになってきた……。
あぁ先生、早く、もう僕を、どうにでもして、ください……! なんでも正直に、従いますから……。
「やっぱりぃ、そうなんだぁ……。ねぇ、おしりがヘンだなんてぇ、ウソ、なんでしょう? あぁ、キミって、結構ワルイ子、なんだなぁ……」
ワルイ子、だなんて。
先生、先生がいけないんだ……。僕を、こんなに夢中にさせてしまうくらいに、あまりに魅力的だから、だから……。
でも、僕は先生のペット。奴隷なんだから、このくらい言われても当然な気がする……。 それに、先生のイジワルで甘い言葉を聞くと、余計に、なんか感じてしまう心が、自分のどこかにあるのも、なんとなく、わかってた。
「あぁン……、先生もぉ、なんだか我慢できなくなっちゃったぁ……」
そう言うと先生はゆっくりと立ち上がって、僕たちが座っていたソファの背もたれを、その下にあるらしいレバーを操作するようなしぐさを見せながら、ゆっくりと倒してみせた……!
また一つ、先生にはビックリさせられた。
「疲れたら休めるようにってぇ、ソファベッドにしておいたんだよぉ……」
もうエッチって言うか、淫靡としか言えない優雅なしぐさと表情とで、そう、僕に言った。
「あはっ、驚いちゃったぁ? だってぇ、待ちきれなかったん、だもん……」
と、タメ息。
僕の驚きが表情に出ていたらしい。先生は少しだけ、さっきみたいな、ちょっとイタズラっぽいような顔をした。
さっきと違うところは、先生の顔がほんのりと赤くなっているってことだった。その体中から、なんだかユラっとした、イヤらしいオーラみたいなものが、立ち上っているのが見えた。僕はもう、ただ圧倒されるだけ、だった……。
「じゃぁ、脱がせちゃおうかなぁ……」
続けてそう言うと、先生はズボンのボタンに手を掛けて外し、あっ、と言う間に脱がせた。そして、
「さ、これもねぇ……」
と、パンツも素早く下ろした。仕事柄慣れているのか、ホントに流れるような、魔法にかけられてるみたいっていうか。
「じゃ、キミだけって言うのもアレだしぃ、先生も脱いじゃおうかぁ……」
夢みたい。
先生に責められたりするだけでも、僕はおかしくなりそうだっていうのに、先生の神々しく、輝かしい裸身を、目の当たりに出来るなんて……。
そう僕がうっとりとしている間に、先生はまず、白衣のボタンを一つずつ丁寧に外してゆく。そして外し終わると、白くて可愛らしい感じのブラウスが現れた。
白衣の上からでも大きく見えていたたオッパイがさらに大きく感じる。そして微妙に透けて見えるピンクのブラジャーが、これから始まる何かを暗示してるような気がした。
「あぁっ、そんなぁ、ジッと見つめちゃってぇ、なぁんかテレちゃうなぁ……」
と、ツブヤキ。
先生は、僕を挑発するような、たしなめるような、そんなことを言いながらも、慣れた手つきで、丁寧にブラウスのボタンも外していった。
それでいて、先生の瞳は、ずっと、僕の方を向いている。
ボタンが一つ一つ外されてゆく度に、その、まばゆい輝きを放っているそれが、ユラッと潤んでいくみたいに、うつろな感じになってゆくのが、わかり過ぎるくらいに、なっていた。
「もぅ、そんな見ないのよぅ……」
テレている。
だけど、先生の脱ぎ方が、なんだか僕だけのためにやっているショーみたいな、見られることが、カイカン、っていう感じで、焦らしつつ僕の目を引きこんで、釘付けにしていくように思えた。
もう、意図的なのか、自然にそうしているのか、もうわからなかった。
楽しんでる、みたい。
先生って見られるの、結構好きなのかなって、なんとなく思ったりした。それとも、先生よりずっと年下の僕をからかっているだけのかも。
もし、そうなら、僕でもっと遊んで欲しい。僕の反応を見て、喜んで欲しい。だって、僕は先生のペット、なんだから……。
そんなことを考えているうちに、いよいよブラウスが外された。淡いピンクのブラジャーに、そこからあふれそうなオッパイが、僕の目の前にひろがった。
「ねぇ、じゃブラジャーは、キミに外してもらおうかなぁ……」
真っ白。
「だってぇ、先生ばっかりサクサクって脱いじゃうのぉ、なんだか恥ずかしいんだもん……」
もう、早く外してって、叫んているみたいなブラジャーを、ぼ、僕が外すだ、なんて……。なんて、ムリなことを、言ったりするんだろう。
僕、別に経験がないわけじゃない。
中学校の時、そりゃ、僕だって女の子に興味はあったから、制服の上からクラスの女の子のブラなんかイタズラして外してたり、高校生になる前にドーテイ捨てなきゃって思って、たまたま言い寄ってきたコの家で服脱がせたりしたことはあった。
で、それであっさり捨てたわけ、なんだけど。
でも、なんか違うと思った。
こんなあっさりと、そのコの家でなんだけど、オモチカエリ? みたいな感じであっさりと捨ててしまえる女の子って、全然ダメじゃんって、思った。
同年代ってこともあるんだろうけど、彼女も初めてだったのか、なんか落ち着きなくってウルサかったし、ちょっと軽すぎちゃうって感じで、ホント、トキメかなかった。あんまり思い出したくないっていうか、そんな感じだった。
ヤラなきゃよかったのかも知れないけど、とにかく捨てなきゃって気持ちの方が強かったし。でも結局、後悔の気持ちの方が強く残ってしまった……。
そんな、同級生の女の子にかなり失望してた時、先生の姿を初めて見たんだ。
確か、中学卒業間際の時だったと思う。
友達の家に遊びに行った帰りに、病院の前で、白衣を着て薬かなんかのセールスマンみたいな人と話してるのを見たのが、最初だった。
眩いばかりだった。
先生のいるその場所だけが、淡くって薄暗い、ボヤっとした感じの、汚らしくしか見えなかった世の中の景色から、はっきりと強い光が差すように浮かび上がっている感じみたいな、そんな聖なる清らかさ、だったんだ……。
あんな、どうにもならない初体験の後だったから、余計に周りがそう見えたのかも、知れないんだけど……。
僕は、その、理想の女神様を見つけた時から、もう、他のコトがどうでもよくなったんだ……。
先生に近づきたい! 先生の奴隷になりたい! ただ、それだけを願うようになったんだ……。
そして今、現実に、その僕の願いが叶っていた。
目の前で、その先生の生身の裸身を、僕の手で見ることが出来るんだ……! そう思ったら、またドキドキしてしまう……。
「早くぅ、外してぇ……」
僕は、ホント、身体が震えた。そして、先生の光るようなキレイな肌に傷が付いたら絶対ダメだ、と震える手に言い聞かせながら、ゆっくりと、そして慎重に、ブラのホックを外しにかかった。
プツン。
マズイ!
僕がヘタクソだったせいか、手元が狂ってホックが跳ねてしまい、自分から弾けるように、ブラがあっけなく外れていった。
「キャッ……」
「あ……」
先生が、豊かな胸を外れたブラで隠すように、はしゃぎながら手で抑え、僕の方を振り返った。照れたみたいな笑顔が、たまらなかった……。
「あぁ、ビックリしたぁ……。スゴォい、勢いよく外れちゃうんだもん……」
そう言いつつ、先生は落ち着くと、手を胸からスッと下げて、ブラをソファの肘掛けに置いた。
さくら色。
静脈がうっすらと透けるほどの、白いオッパイが、僕の前に姿を現した。
言葉を失うくらい、ホント、キレイな肌だった。
「あぁ、そんなに口なんか開けてジッと見ちゃってぇ……。あたしも胸に穴なんかぁ、開いちゃったりしてぇ」
僕が見とれてる時間が長かったみたいな感じで、先生はテレながら、僕をからかうみたいに言った。
「あ、す、すみません……」
つい、謝ってしまった。
僕の口、そんなに開いてたかなあ。
ホント自分でも、なんかマヌケだなあ、なんて思ったりした。
だって先生が、そんなキレイなオッパイを誇っているみたいに、僕に見せつけるんだもの……。どの男の子だって、見たらきっと僕みたいにマヌケな顔になるに、違いないのに……。
「じゃあ、ついでにぃ、先生のスカートのホックもぉ、はずしてもらっちゃおうかなあ……」
先生は、もう一回僕に背を向けて、
「うん、頼んだよぉ」
と、近づいた。
「今度はぁ、いきなり外しちゃダメだよぉ。さっきぃ、ホントにビックリしちゃったんだからぁ……」
先生は振り向きながら、またイタズラっぽい顔をして僕に言った。
「は、はい。すみません……」
「そんなにぃ、いちいち謝らなくてもいいんだよぉ……。でも、キミらしいよねぇ」
先生にそんな風にからかわれて、ちょっと恥ずかしくなった。
だけど、それがまた、イイ……。
「さ、やってぇ……」
先生に催促されて、僕は慎重に、しかし急いでホックを外した。今度はさっきみたいに、勢いよく飛ぶことはなかった。
「……じゃ、スカート下げていいですか」
「もちろん、いいよぉ」
当たり前なんだけど、イキナリ下げたらマズイかなって思ったから、一応先生に訊ねてみた。もちろん先生はそれをわかってたと思うんだけど、でも、あえて僕に優しく言ってくれたんだろうな、と思った。
「……じゃあ」
そう言うと僕は、ゆっくりと先生のスカートを下げた。
おそろい。
先生のパンティが、とうとう僕の眼の前に姿を現した。ブラジャーと同じ色の、淡いピンク色だった。
デリケートゾーンに当たる部分に、細かいうねりの入ったフリルがいくつか、縦に揃って付いている。
そしてフリルの向こうに、うっすらと黒くてひし形っぽい影が透けて見えた。見えたと同時に、先生の、大人の女の人って感じの甘くてイヤらしい匂いが立ち上ってくる。
思わずウットリしそうになったけど、そうしてばかりもいられない。その先を急がなくてはいけなかった。
僕はまたドジらないように、と自分に言い聞かせながら、なんとか無事にスカートを脱がせ終わると、それを丁寧に畳んでブラジャーの横にそっと掛けた。
「ありがとぉ。ふうん、キチンと出来ちゃうんだぁ……」
先生は、僕が服をちゃんと畳むってことが意外だったみたいで、少しだけ驚いた表情をした。
「男の子ってぇ、もうちょっと雑でアレかなぁって思ってたんだけどぉ、なんかぁ、ちゃんとしてるんだねぇ……」
先生は、もうパンティだけの姿になったにもかかわらず、僕が服をキチンと畳んでいることに、妙な感心をしていた。
「なんだかキミってぇ、そういう細かさが女の子みたいだよねぇ……。だからぁ、なんかカワイイのかなぁ……?」
軽く不思議そうな顔をしてそんなことを言うと、先生は僕の頬に両手をあて、そして優しく微笑んだ。
たわんとしたバストが顔のすぐ、近くにくる。きめ細かい肌がやわらかなラインに沿いつつ、微かな光沢を含んできらめくのが、生々しく眼に映った。ホント、僕には強烈過ぎた。少し待ってって、言いたくなるくらいだ……。
「あ、じゃあ、最後にこれもぉ。ねぇ……」
先生が、最後の部分を手で指して言った。
さっきの、甘くてイヤらしい匂いの、その場所を、とうとう見てしまうことになる。
僕の、この手で。
そう思うと、自然と手が震えてくる。
考えたくなかった。もう倒れてしまいそう、だったから……。だけど、あまり先生を待たせてもいけない。でも、なかなか手が思うように動いてくれなかった……。とにかく震えを、なんとかして抑えなくっちゃ……。
「さ、早くぅ……」
先生が、手間取ってる僕を見て微笑みながら、手を取ってパンティの方へ誘導した。待ちわびるように潤んだ眼が、熱を帯びているみたいに見えた。
「震えてるぅ……。いいのよぉ、あわてなくってもぉ……」
と、僕のおちんちんに、再びそっと、手を這わせてきた。
「あっ……!」
「緊張してるんだねぇ。だいじょうぶだよぉ。ほぐして、あげるよぉ……」
そして、いきなり顔を近づけて、僕にキスをした。柔らかい舌が、入ってくる。
「……!」
先生の、ウソつき。
こんなことされて、とても緊張なんかほぐれるはず、ない。
僕は顔中がほてってきた。体もなんだか、さらに汗ばんできたみたいだ……。
キスは長く続いた。僕の舌が、先生の思うままに操られていく。動きはゆったりめ、って感じ、だったけど、それがまた、いやらしく思える。
「ん……、ふぅ……」
キスをしながら、先生が甘く、ため息をつく。と、同時に口が離れた。潤んだ瞳が妖しく光っているのが、ぼんやりとしていた僕にもはっきりと、見えた……。
「今度はぁ、ここぉ……」
僕に心の準備もさせず、今度は、僕のおちんちんを、這わせていた手ですくい上げるように持ち上げると、背筋をかがめて、そのまま含んだ……。
「あ、あぁ……っ!」
思わず声を出して、のけぞってしまった。
なんて、快感。
「そんなにキモチ、イイぃ……? 素直に感じてちゃってるみたいでぇ、とってもかわいいよぉ……」
僕の、自分ではブザマとしか思えない姿を見て、先生はそんなことを言ったんだろう、か。
かわいい、だなんて。
僕は先生にこんなことをされて、スゴく感じさせられて、ただ恥ずかしいだけ、なのに……。
でも、僕が感じてる姿を、先生が喜んでくれるなら、ブザマでも、カッコ悪くてもいいかな、なんて思ったりした。
なんてったって僕は奴隷なんだから、ご主人様の喜ぶことをしないと、それらしく、ない。
でも、なんだか僕が先生に奉仕させてばかりいるみたいで、ちょっと気が引ける感じ、なんだけど、責められていることには変わりないんだから、いいかな、なんて思ったりした。
「ジュル……」
「うっ、くうぅ……」
先生がまた、くわえる。僕はまるで、成すすべのない小動物のように言うことを訊くしかなかった。ただ、先生の思惑通り、みっともなく感じて、そして悶える、だけ……。
先生は、おちんちんの頭の、裏筋っていうか、そう言うところを、舌先で丁寧に責めてくる。ゆっくりとした出し入れなんだけど、ホントに気持ち、いい……。
「うっ……、せん、せい……」
「うふぅ……ん。そんな、苦しそうにしちゃってぇ……」
ホントに気持ちいい。いいんだけど、このままだと、あっけなくイってしまう……。そんな、ご主人様にくわえられているだけでも恐れ多いっていうのに、く、口の中に出してしまうなんて……。でも、このままだと、ガマン、出来ない……。
「ああっ! 先生、僕、ダメです……! イってしまいそう、ですぅ……」
思わず、叫んでしまった。でも、なんだか許してくれなさそうな、気がした。
「えぇ、もうなのぉ? まだハヤい、よぉ……」
先生は僕のおちんちんから口を離して、僕の顔に近づき、ゆっくりと言った。
「……緊張してたのぉ、ほぐれたぁ? じゃあぁ、先生のぉ、最後の一枚、脱、が、せ、てぇ……」
そして、僕の目の前に、再び、脱がせあぐねた聖域が、迫ってきた……。
先生は、僕の手でパンティを脱がせることに、何故だかわからないけど、こだわっている。
「ほらぁ、早くぅ……」
腰をこれ見よがしに突き出して、先生はねだってきた。僕は手を伸ばして、そして先生のパンティに手をかけた。
さっきのフェラチオのせいで、すっかり息があがってしまっていたんだけど、それがよかったらしく、不思議とさっきみたいに緊張はしなかった。焦りはあったけど、とにかく先生の頼みだから、やらなくちゃって、思った。
恐る恐る、パンティを下にずらす。
いやらしい、腰のラインのくびれがすこし邪魔をした。慎重に、と思って力を入れないようにしていたらそれにひっかかってしまって、なかなか巧くいかなかった。強く引っ張りすぎないようにするのに、ちょっと手間取る。
「……ふふ、慣れてないのぉ、バレバレだよぉ……」
からかう、先生。
下を向いて格闘していたから、上の方から、そんな風に言われるとホント、ますますペットって気になる。
もしかして、先生も僕のことを、そう思っているのかも。
ものまねだって、真似している人に成り切っていると、相手に伝わるっていうし……。もしそうだったら、もっと僕に、命令してほしい! 僕を、先生のいいように扱ってほしい! ……なんて、つい激しく思ってしまった。
いけない、そんなこと考えていたら、つい手が止まってしまう。
「でもぉ、そんなのに慣れてたらぁ、なんだかカワイクないよねぇ。キミみたいにぃ、カワイイとぉ、女の子に慣れてるようなぁ、そんな気もするんだけどぉ……。ほらぁ、手が止まってるよぉ……。もう少し、だからぁ……」
やっぱり、言われてしまった。
そんな、先生にホメられているのかハゲまされているのか、よくわからないような言葉をかけられながら、それでもなんとか僕は、少しずつパンティを下げて行った。もう、何がなんだかわからなかった。
ようやく、見えてきた。
とうとう先生の、黒々としたヘアーのところまでもっていくことが出来ると、後は問題なく下げることができた。先生に脚を少し上げてもらって脱がせ終わると、もちろんパンティをきちんと畳んでから、あらためて先生の、その大事な部分をじっと見つめた。
もう、穴が開くっていうほど。
「あぁん、そんなに見つめられるとぉ、先生なんか恥ずかしいなぁ……」
先生は、そう言って身をくねらせた。
脱がせてって、自分で言ったクセに。
なんて、思ったんだけど、僕はでも、先生にそんなコト言われるくらいに、見つめてしまったのは確かな事実だった。恥ずかしいんだけど、つい、見入ってしまった。
ヘアーは、キラキラっとした艶があって、ひし形っぽい感じに生え揃っていた。そのまわりの肌の質感が、黒々としたヘアーと対照的に、特別に白く生々しくってイヤラしいって感じがした。
僕が今、こんな、近所でも評判の、あこがれの美人女医先生のヘアーを見ているんだなあ、って思うと、もう、興奮が止まらない……。
「じゃあぁ……」
先生が、いよいよ僕にかぶさってきた。
「楽しもうよぉ……」
そう言うと、先生は僕にまた口付けながら、おちんちんの方に手をやる。
でも、今度は僕のには触れずにそこをすり抜け、いきなりおしりの、穴に指が触れてきた……。
「あ。はぁ……っ、先生、そこ……」
今度はおしりだったものだから、僕は思わず大きな声を出して、そして喘いでしまった……。
「……だってぇ、ここ責められるのぉ、好きなんでしょぉ……。診察の時ぃ、キミ感じてたもん……」
「はぁあっ……、ああ……」
そんな、恥ずかしくなるようなイジワルを言う先生の指が、おしりの穴を柔らかくなで回す。触れるか触れないかって感じの、ホントに微妙な、タッチ。
そこから段々と力を込められながら触られると、やがて白魚のような指が、僕の中に差し込まれた。
「あぐ……ぅっ!」
「いいよぉ……、先生、カワイイ子が感じている姿見るのぉ、だぁい好きよぉ……」
「……あアっ、はあ、あァ……」
先生は潤んだ瞳を細め、上気した顔で僕の耳元に、イヤラしい無声音で、ささやいた。と同時に指が奥まで入ってきて、中の、今まで経験したことのないみたいな部分を刺激してきた……。
「どぉ……、先生ぇ、キミの感じるところぉ、ちゃあんとわかるん、だよぉ……」
「──アッ! な、なに……ああ、うァ、はうゥ……っ!」
実験動物のように、先生の術中にハマってすっかり感じさせられている僕の中で、ぼんやりと、なにかが壊れていく感じが、した……。
「ここぉ、前立腺ってぇ、言うんだよぉ。スッゴい気持ちぃ、イイでしょぉ……キミばっかり感じてないでぇ、先生のコトもぉ、気持ちよくぅ、させてぇ……」
もちろん、そこはもう知っていて、自分でも指なんか入れてオナニーしてみたりしたことも結構あったりしたんだけど、やっぱりお医者さんにかかると、ああ違うんだなあって、思った。
だって、まるでそこ、未体験の場所みたいに、信じられないほど感じさせられてしまうんだから……。
先生は懇願しながら、空いていた左手で僕の右手を取って、そして、さっき僕が脱がせた、あの部分に誘導した。
「先生がぁ、キミにやってるようにぃ、してぇ……」
と、その部分を触らせる。アソコとクリトリスの間にある、ちょっとしたスペースだった。
そこ、もうジットリって感じで、濡れていた。
「こういう風にぃ、ねぇ……」
先生は、僕の指を、そこに円を描くように細かくなぞる。僕も、先生が責めてくる、おしりへの刺激がスゴかったんだけど、どうにか要領を覚えるように、した。とにかく教えられたとおり、円を描くみたいに、指を踊らせてみる。
「むっん、ふぅ……ぁあン! い、いいよぉ……そのままアぁ、もちょっとぉ、速く動かしてぇ……アッ! はぁん……」
感じてる。
先生が僕の指で、体を跳ねたいみたいに、むず痒そうに悶えていた。
先生にいいように操られて、感じさせられている僕、なんだけど、そんなカッコ悪い僕でも、先生を感じさせることが出来る、そして僕もあこがれの先生と一緒になって、感じているんだなあ、って思ったら、スゴイ、うれしかった。
僕はそんな、うれしい気持ちを込めたかったから、先生の言うとおりに、さらに、指を一生懸命速く、動かしてみた。
「ハァああん! そぉ、それぇ……それよォ……ああッ! ……すっごい、イイよぉ……はあっ!」
スゴく、アエいでる。
「ウマいんだぁ……。先生ぇ、なんかとろけちゃいそう……、じゃぁ、一緒にぃ、ねぇ……」
先生は眉をしかめながら、顔を赤くして、誘うように言った。そして、空いていた左手で、すっかりカタクなっていた僕のおちんちんを、軽くつかんできた。
その後すぐに、ちょうどいい感じの力加減で、リズミカルに擦ってくる……。
「はぐ……ゥっ」
さっきみたいに、おしりの穴に触られた時みたいな、繊細な感触、だった。握る力を微妙に強めたり弱めたりして加減しながら、シュッ、シュッ、って感じで、速めに手を上下してくる。
自分でやるのと違って、人に触ってもらうだけで、ホント、スゴク感じてしまう。しかも、先生の、キレイな手で、してもらっているものだから、なおさら、だった……。
「あぁ、ダメよぉ、手を止めたりしたらぁ……。キミと一緒にぃ、先生イキたいんだからぁ……」
あまりの快感に、手がおろそかになってしまったらしい。先生に、気だるいような表情で、おねだりされるみたいにチェック、入ってしまった。
そんなこと言われても、身体はなかなか言うことを聞いてくれずに、つい、手を止めてしまう……。
でも、先生が、こんな僕なんかと一緒にイキたい、だなんて言ってくれるのって、スゴイうれしかった。
そうだった。
卑しい奴隷っていうのは、高貴で優美なご主人様の言うことなら、絶対の命令として、聞かなければいけないんだっけ……。そうなんだ。僕は、先生の命令にただ下僕として、従わなければならないんだ……!
そう思うとたとえつらくても、先生の期待に応えないわけには、いかなかった。僕は巧みな愛撫につい感じ過ぎてしまって、手の動きを止めてしまわないように自分に言い聞かせた。
そして先生の敏感な部分を責めることだけに、ただひたすら集中した……。
「ん……あっ、う、ウマイよぉ……、そぅ、その感じぃ、よぉ……。あァ……ん」
先生、もうトロけそう。
顔はすっかり、汗ばんでいた。僕に語りかける声も気持ちうわずってきて、軽く舌なめずりまで、していた。
瞳も潤みを増して、もう涙がこぼれてきそうなほど、あふれてきている。もうあと、ちょっとでイっちゃうみたいな感じ、だった……。
でも、先生はそんな風になりながらも、僕への責めをユルめたりなんか、全然しなかった。
感じているのを隠そうともしない先生の豊かな表情と、繊細な愛撫を止めない変幻自在な先生の手とが、まるで他の人が役割を分担しているみたいに、別々に動いていた。
僕なんてもう、歯を食いしばりながら手を休めないようにするのが、せいいっぱいだって、言うのに……。
「あアッ、先生……ううッ、く……」
こらえきれずに、つい、みっともない声をあげてしまう。もし、先生の前じゃなかったら、もう死んでしまいたいくらいに、恥ずかしいことなんだけど……。
でもこうして、一緒にシテるからこそ、きっと本当の自分を、さらけ出せるんだろう……。
そう思うと、ホント、あこがれの人と一体になっているんだなって、気がしてスゴイ、うれしくなった……。
「はあッ! ……いいのよぅ……感じたままぁ、声を出してもぉ……。そしてぇ、いっしょにねぇ……くゥッ……ああん……!」
涙、こぼれはじめた。
息があがってきた、みたい。
僕への愛撫も激しくなってきて、ハヤクあたしに合わせてイッてって、促されているみたい、だった。
もちろんそれに、逆らえるわけもなかった。先生に合わせるように、僕は指をより踊らせた。そこから愛液もすっかりあふれて、手首の方にまで、垂れてきていた。
「う……ンん、先生ぇ、もぅ、……あアっ! ダメ、ダメぇ……」
「はあっ! ぼ、僕も、もう……イっちゃいますう……」
もう限界だった。僕も、先生も。
「いいよぉ……、先生にぃ、たっぷり出してぇ……はあぁん……」
いいんだろうか。
高貴な先生を僕が汚してしまう、なんて。
でも、ためらっている時間なんかもう、なかった。おちんちんの中から先のあたりまで快感がせり上がり、感覚が半分くらいマヒしかかって、きていた。出してしまうまでは、ほどなかった。
「……ああん、い、イっちゃうぅ! かけてぇ! 先生にィ……アア──!」
「アアッ! 先生もう、もうホントに、……ウぁ、はアっ!」
ソファが、激しく軋んだ。
一緒に叫び声をあげると同時に、僕は先生の白くキレイな、聖なる下腹部に、とうとう自分の汚らしくてイヤらしいモノを、勢いよく浴びせて、しまった……!
先生といっしょにシャワーを済ませたあと、僕はまた、さっきの部屋に行った。先生はいろいろと支度があるらしく、僕が先に上がった。
貸してもらったバスローブを着て行った。女の人用の、ピンク色のものだったけど、これでシャワー後にくつろぐのは、なかなかいい気分だった。
部屋に行くと、ソファに座って待つことにした。背もたれが知らないうちに直されていた。
言われたとおり、冷蔵庫の中からウーロン茶の缶を二本出してテーブルに置くと、僕はしばらくぼぅっとしていた。先に飲んでていいよ、とは言われていたんだけど、やはり高貴な女王様より僕が先に飲むなんてイケナイことだ、と思って、やめておいた。
壁時計を見ると、7時の10分前といったところ。家の方にはバイトで遅くなるって言っておいたから、まあ、だいじょうぶだろう……。
とにかく来るまで、僕はじっと座って、待っていることにした。
シャワー室で言われたことを、思い返しながら……。
「待ったかなぁ? あ、先に飲んでてって言ったのになぁ」
先生がやってくるなり言った。着ているバスローブから、湯気が立ちのぼっている。
手には、医療用とは言えない道具が、いくつか見えた。それを見て僕は、またドキドキしてしまう……。
湯上り姿の、勤務中とはまた違った崩れぐあいが、余計セクシーだったものだから、なおさら、だった。
「せ、先生とカンパイ! なんて、やりたかったんです……」
「そうなんだぁ。じゃぁ、キミと知り合えて
よかったってことでぇ、カンパイ! だねぇ」 とっさに出た言い訳が気に入ったらしく、笑顔で言ってくれた。
ホントは違うんだけど、そういう風に言えば、たぶんアタリサワリがないだろう……。まあ、別にカンパイしたくないわけじゃ、なかったし。
「は、はい。そうですね。カンパイ、しましょう」
「じゃあぁ、二人の出会いにぃ、カンパイぃ!」
先生がソファに座って、道具をテーブルに置くと二人でウーロン茶の缶を空けて、ささやかにカンパイした。本当はビールかシャンパンで、っていうところなんだろうけど。
一息つくと、切り出してきた。
「でぇ、もう元気になったぁ?」
また潤んだ、瞳。
先生、さっそく僕のおちんちんの方に手をやって、身を乗り出してきた。けっこう先生って、ホント、イヤらしいんだなあって、あらためて思ったり、した。
と同時に、シャワー室で言われたことを、また思い返していた。
『先生のおなか汚しちゃって、ホントすみません……』
『いいのよぉ別にぃ。こうしてシャワーで洗い流せるんだからぁ』
『あ、は、はい……』
『そんな申し訳なさそうに、しないでぇ。先生ぇ、ホント、楽しかったよぉ』
『ぼ、僕も、キモチよかった、です……』
『そぉ、よかったぁ。……それでぇ、まだぁ、キミ時間だいじょうぶぅ、かなぁ……』
『えっと、別にだいじょうぶ、ですけど……』
『そぉ、よかったぁ……。先生ぇ、さっきのだけじゃぁ、ハッキリ言ってまだぁ、もの足りないんだよねぇ……』
『え、っていうと……』
『シャワー終わったらぁ、先生ともう一回くらいぃ、楽しもぅ、よぉ……』
いろいろ楽しむって、どういうことをやるんだろう。
そういえば先生が持ってきた道具は、大人のおもちゃ屋さんにあるようなものばかりだった。
プラスチックの、ハチミツの入れ物みたいな容器に入ったローション。薬のカプセルを大きくしたような形の、ピンク色の、リモコン付きローター。黒くって、大きな棒と小さい棒が二股に分かれた、バイブ。それに、お数珠の輪を切ったみたいな感じの、小さい玉の中に大きめのものが何個か、並んでいるもの。
数は少なかったけど、僕にはじゅうぶん過ぎるほど、イヤらしい道具たち、だった。
これ全部、先生が買ってきたものなんだろうか。
そう考えてみると、先生って、けっこう大胆なんだなあって思ったりした。
で、僕がこれで、また先生に責めてもらえるんだろうか。
そう考えるだけで、また、勃起してしまう。さっきあんなに、思いっきり出したばかりだっていうのに……。
「あ、おっきくなってきたあぁ」
はしゃいでる。
先生、まるで子供みたいに。
オトナの女の人が、オトナの遊びをするっていうのに、こんなに無邪気でいいんだろうかってくらいに、喜んでいた。
でも、そのギャップがまた、いい……。
「じゃぁ、そろそろいいかなぁ……」
僕の顔色をうかがうように、上目使いでつぶやいた。
先生、そんな、僕みたいなイヤらしいだけの奴隷に、気なんかつかわなくてもいい、のに……。
「……はい。もう先生の、好きにして、ください……」
つい宣言して、しまった。
そう、僕はもう、先生に仕えるシモベなんだから、これ以上先生に気を使わせては、いけないんだ……。
ああ、このままずっとお側にいて、そして、二人だけの国で誰にも邪魔されずに暮らしたい……。
そんな事を思っていたら、ふと、あのサエない受付嬢のことが、ちょっとだけ憎らしく思えた。ホント、いつも一緒にいられて、スゴイうらやま、しい……。
「うん。じゃあぁ……」
先生はそう言って頷くと、またソファの背もたれを倒してから、バスローブを脱ぎ一糸まとわぬ格好に、なった。
湯気の立ちのぼりがいっそう派手になり、照明のせいなのか。そのまわりが星の降るように、キラめく。
「じゃキミもぉ、脱いでぇ……」
促されて、僕も裸になった。ホントは言われる前に脱ぐのがツトメなのに……。また自分のウカツさを、僕は恥じた。
「うん。じゃぁ、してぇ……」
つぶやくと先生は、ソファに横たわって自ら、なんと、四つん這いの格好になって、おしりを広げた……! そして、僕の方を振り向く。
え? え……!
「……テーブルにあるぅ、道具でぇ、先生のおしりぃ、責めてぇ……」
なん、だって!
僕は、また先生の、意外な言葉にショックを受けた。先生にもそんなシュミがあったなんて、全然考えられなかった、から……。
また、なんてムリな事をいうんだろう、とも思った。責めてだ、なんて。
僕、まだそんな、女の人の扱いなんて慣れてないっていうのに。
でも、先生の命令は、絶対だ。
仕える者として、なんとしてもやり遂げなければ、ならないこと、なんだ……!
そう、僕は頭を切り替えることにした。
そして、改めて気を持ちなおすと、
「は、はい……、どう、すれば、いいんですか?」
と訊ね、テーブルに近寄った。
「……うン……、じゃぁ、その小さいぃ、ピンクローターからぁ……」
「は、はい……」
「キミがこうしてもらったらいいなぁ、キモチいいなぁって感じでぇ、してぇ……」
僕はローターを取り出すと先生の側へ行き、どうすればキモチいいかを、考えた。
まず先生の、おしりの穴を、じっと見つめた。
さすがに肛門科の先生らしく、おかしな所がなくて、ほんのりとしたピンク色の、ホントにキレイなものだった。
医者の不養生ってこと、よく聞くけど、僕が仕えるほどキレイで神々しい先生には、どうやら当てはまらない、らしい。
あんまりキレイだったものだから、思わず近づいて、舌先で思いっきり、なめてしまった。先生の、甘くてイヤラしい味がしたような、気がした。
「あ……っ、なめられるのもぉ、いいんだけどぉ、先生やっぱりぃ、ローターでしてぇ、ほしいなぁ……」
やっぱり、注意されてしまった。
もう少しそうしていたかったんだけど、命令には逆らえない。僕はローターを持ちなおした。
とりあえず、さっき焦らされたのがスゴくよかったので、まずローターのスイッチを入れて、おしりの穴のまわりから中心へと責めることにした。
「ねぇ、はや、くぅ……」
待ち切れなさそうに、ねだってる。
でもさっきの、焦らされながら責められるの、僕はけっこう楽しかったり、した。だから先生も、もしかしてそうなんじゃないかって、思えた。その証拠に、眼がまた、潤み出していた。
おしりの穴の下にある、何かの貝みたいな形のアソコも、瞳と同じく、しかも生々しく濡れていた。アヤシク光っていて、とっても、キレイ。
スイッチを入れたローターは、ジイイ、と振動音をさせて小刻みに震える。小さいのに力が強くて、しっかりと持っていないと落としてしまいそうだった。
落とさないように落ち着いてから、とりあえず軽く、先生の肌に触れさせてみた。
「! ……あッ……ン、ふァ、ああぁん……! いい……イイ、よぉ……」
跳ねるよう。
先生はおしりをビクビクって、震わせて感じている。自分で胸まで揉みながら、もう世界に入っちゃってるっていう感じ、だった。
ホント、見ていて、僕が感じちゃうくらいに。
「あああアん! ……キ、キミ、ウマぃねぇ……、お、オカしくなっちゃうぅ……ン……ハァッ! あン……」
ウマいなんて言われると、
そんなイヤらしい姿につい、興奮してしまいそうになるのを抑えて、ローターを段々と穴の中心に移動させる。ゆっくり、と。
「アア──っ! スゴォいぃ、スゴすぎるぅ……ウあ、ンンっ……! もう、ダメぇ……、……ねえぇ、入れ、てぇ……」
言われるまま、ローターを穴の中心に持っていき、ローションを少し垂らしてから、
「い、入れますよ……」
そう言って、少しずつ押し込めていった。ご主人様の肌を傷つけちゃいけないから、スゴク神経を使う。
「ああっ、グゥ……、ム、ううん……ハァっ! いやぁん……ダメぇ」
喜んでいる。
僕も神経を使った、甲斐があった。
まさに乱れているっていうのがピッタリなくらいの、アエぎぶりだった。ローターを少しづつ深めていく度に、乱れ方も、激しくなっていく。表情は苦しげだったけど、その中に陶酔しているみたいな、感じだ。
それでも、何故かあまり下品に見えないのが、先生のフシギなところ、だった……。この辺も、同世代のコみたいに脚なんかバタバタさせているのと、てんでまるで、違った。
あまりに乱れ方がスゴかったから、このまま先生、イっちゃうのかな、って思っていたら、少しして、思いがけない言葉を、口にしてきた。
「はぁっ、あンン……、ほ、他の道具も使おうかってぇ、思ったんだけどぉ、キミにやってもらうのスゴく気持ちよくなっちゃったぁ……。もう、ローター全部入れてぇ、それでココにぃ、入れてぇ……ああン……」
そして、先生は自身のものを指で開いて、誘ってきた。中が驚くほど、グチョっとしている。
とうとう、だ。
ホントは、そこまで考えてなかったんだけど。
だって、あこがれの先生とつながって、一体になるだなんて、ここへ来る前には考えもつかなかったから……。
でも僕も、先生のイヤらしい姿に、たまらなくなっていたところだった……。こうなったらあとはただ、先生の仰せに、ありがたく従うのみ、だった……。
指示通りローターを全部、入れる。すっかり肉が柔らかくなっていて、見事なほど、スッポリと入った。
「先生、じゃ……」
そして、もうはちきれそうになっていた、僕のおちんちんを、先生の指の導くまま、少しずつ深めていった……。
「う……あン……そうよぉ、そう……もっとぉ、奥まで入れてぇ……」
言われるまでもなかった。吸い込まれるように、スムースに入った。
中は暖かく、柔らかくって、中の肉の一つ一つが、おちんちんに吸い付いてくるような感触だった。特に先っぽのあたりの、ザラザラした感じが、スゴい。
「はあ、ウッ……、先生、スッゴい、いいですぅ……ああッ……」
「ああぅン! ……中ぁ、いっぱいぃ、くるぅ……」
つながってしまうと僕はもう、気持ちを抑えることが出来なくなっていった……。
その勢いで先生の身体を抱えるように、オッパイを思わず、わし掴みにした。弾力性があって、これも手に吸い付くようだった。
それと一緒に、小さめの乳首も、指で玩んだ。ビン! と張りがあった。ホント、モチ肌って、先生みたいな肌のことを言うんだろうなって、思った。
腰は、意識しなくても勝手に、快感のおもむくままに動いた。自分でも激しいって、思えるくらいだった。まさにケモノになっているって、感じ。
さっき一回出してしまったから、長くキモチよさが持続していた。
でも、このまま続けていけば、いくら持続できたとしても、果ててしまうのはもうすぐだと、思えた。
このままイってもよかったんだけど、やっぱり最後は、先生と抱き合って、そしてくちづけして一緒にイきたい……。
そうじゃないと、イってしまった後、スゴイ、サビしくなって、自分で泣いてしまいそうな気が、した。
先生はもう、全身が真っ赤になっていて、あと少しでオチそう、って感じだった。話しかけるのが悪いみたいだったけど、あえて言ってみる。
「先生……」
「はっはァ……なぁにぃ……」
「ぼ、僕、イク時は先生と抱き合って、イキたい、んです……。もうイキそうかもしれないから、だから……」
「アゥん! はっアァ……、うん、わかったよぉ……は、ハァ……」
先生はもう、意識が飛んでるっていう風だったんだけど、きっちりと、僕らがつながって、溶けあっている部分を手でフォローしながら、態勢をあお向けにヒラリと変えた。
そして改めて、
「いいよぉ……、はッ、あ……、き、来てぇ……」
と、手招いた。
再び、先生に抱きついて、腰を動かしはじめる。
そして、くちづけ。
舌の動きが未熟な僕をリードするかのように、先生はゆっくりとそれをからませて、そして自らも腰を動かしてきた。
「アッアッ、はぁっ、はあ……」
先生と僕のコラボレーションは、つながっている場所からイヤらしい粘着質の音を激しく立てて、ピッタリと合っていった。
ぶつかり合って奏でられる音に、興奮もなおさら、深まる。
もう思い残すことは、なかった。
先生も息があがってきて、言葉にならないアエギ声ばかり出している。
あとは本能のまま、ただヤルだけ、だった……。
僕は、もう、思いっきり腰を動かし、先生の包み込むようにやわらかな身体に、ぶつけていった。
「──ア、アッも、もうぅ、ダメェん……、ハァッ、うんん……」
「ぼ、僕も、はっ、は、です……」
やがて、激しいデュエットの、終わる時がきた。
もう、イキそう。
先生も、僕の身体に腕を巻きつけて、力をこめてしがみついている。かすかなケイレンが、伝わってきた。
「お願いぃ……、ハッ、もう、もう出してぇ……」
先生がそう叫ぶのと同時に、
「ああぅ……ッ……!」
と叫ぶと、さっきのとはまたちがう、マヒ状態におちんちんが陥った。
そして僕は、そこから命のエキスを吸い取られてしまうように、汚らしいモノを、先生の中へと放出した……。
すると、先生の中の肉が僕をいっそう締め付けて、残らずしぼり取っていく。
「あ……、ううっ……クッ……」
もう、うめくしかなかった。
先生はもう声も上げずに、眼を遠くしながら体中をケイレンさせている。
しばらく、二人ともそのままでいることしか、できなかった……。
再びシャワーを浴び終わると、もう時間は九時過ぎになっていた。
先生も僕も、すっかり疲れきっていた。
もっとも、あんなに激しく愛し合っていたんだから、それも当然っていえば、当然なんだけど。
身じたくをして、先生が電気のブレーカーを落とすと、目立つ入口を避け、勝手口から帰るということになった。
「じゃあぁ、途中までぇ、いっしょに帰ろうかぁ」
先生が言うので、僕は最寄の駅まで付き合うことにした。
僕の通っている高校はこの近くじゃないし、もう暗いから、クラスのみんなにも見つかることは、たぶんないだろう……。
まあ、もしも見つかったりしてウワサになったところで、僕は全然、かまわないんだけど、先生の仕事の邪魔になったらちょっと申し訳なさすぎるから、その辺は注意しようと思った。
外に出て、ぽつぽつと歩く。
すっかり暗くなっていて、サビしい感じだった。
こんな、人通りも少ない道を、先生はいつも歩いているんだなあって思うと、心配になってしまう。こんなところで襲われたりなんかしたら、タイヘンだ……。
僕が高校生じゃなかったら、守ってあげられるのに。そう思うと、今の身の上が、なんだかクヤしくなった。早く、立派な大人になりたい。そして、先生をずっと、守っていきたい……。
とくに話すこともなく、僕と先生は道々をいく。
うつむき加減の先生だったけど、いっしょに歩けるだけで、楽しかった。先生はきっと、さっきのことで疲れきっているんだろう。
やがて駅が遠くの方に見えた。
僕は気を利かせたつもりで、
「じゃあ、この辺で……」
と言って、人に見られないように帰ろうと思った。また会いたくなったら、病院の方に電話でもすればいいことだと思ったし。
「待ってぇ」
すると、先生が呼び止めた。
「はい……」
僕は、また次の機会に楽しみたいのかなって、思った。その約束でもするのかなって。
しかし、僕が聞いた言葉は、予想を裏切るもの、だった……。
「もおぉ、来ないで欲しいのぉ……」
ホントに、ショックだった。
「今日のことはぁ、先生の胸にしまっておくからぁ、もぅ、病院にはぁ、来ないでねぇ……」
「ど、どうして……」
僕がやっと、その言葉を発したときには、先生は後姿を見せて、駅近くの、遠くの方へと去って行った。
思わず、走って追いかけようとしたんだけど、でも、走りかけたところで、考え直して、止めた……。
だって、僕は、先生のペットで、奴隷なんだから。
高貴な先生を困らせて、嫌がられるようじゃ、奴隷として、失格だ……。
僕は、先生が駅に消えるのを見届けて、そしてそのまま、家に帰る事にした。心の中がポッカリと穴があいたようにサビしいのを、こらえながら……。
でも、僕がガマンすれば、それで先生が納得するんなら、それもいい、なんて思えた。それはそれで、奴隷としての役目を果たしたことに、なるんだろうから……。
家と反対方向に来たから、着くまで時間がかかるなって思ったけど、熱をさますには、ちょうどいい距離かな、って感じがした。
途中、自動販売機が見えた。
ちょうど、のどが渇いていたから、財布を出して、小銭のポケットを開いた。
すると、一枚の、見覚えのない紙があった。
取り出してみると、何か書いてあった。
『病院じゃあんまり会えないから、携帯の番号書いておきます。
これ読んで、ビックリしちゃったらゴメン。
だって、キミを驚かせたかったんだもん。
よかったら、メールでもしてね。
090― ××…… 』
ホント、イタズラ過ぎる。僕は思わず、涙でいっぱいになった。
そして気がつくと、家に向かって走り出している僕が、いた……。
〈了〉