第四回 お題:手 |
チャンプ作品 |
Canopus◆j1h.j3e.
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チャンプ作品に対する批評 |
wildcat >手のひらの間の微妙な距離にはじめて気付く。 >娘がぼくの天使の絵の上に 赤いクレヨンでおおきな円を何個もかいた。 >天使の手のひらの間をはみだして 画用紙からもはみだして。 これこそ、詩の醍醐味というとも言うべきものでしょう。 パウルクレーの絵になぞらえて、家族への作者の愛が 伝わってきました。とくに引用した部分は、わかりやすい言葉 しか使ってないのに、大きな広がりを持たせることに成功してます。 らくがきが、枠をはみ出してもそれを深い愛情で包込む暖かさ。 私はここに描かれた円の行方が、とても気になりました。 うたた寝死人◆ShSU0mOg パウル・クレーの天使、知らなかったので調べてみたら、思い込みとだいぶ違っていました。 こんな絵→ http://www.paul-klee-japan.com/ 678、この詩自体が、低い筆圧のクレヨンで描かれた丸のようです。 画用紙の中の天使から、言葉という形で、だっこという形でと、世界が少しづつ広がっていく。丸い丸い、世界が。 クレヨンと共に詩の流れを止めるなど、何の抵抗もなく読ませる工夫がいい。 色もきれいなんですよね。画用紙の白、天使の黒、空白を埋める丸の赤。 団らんのオレンジやソファーの色も混ざるのかなあと、どんどんイメージが広がります。 最終連、少し硬くなるのが好きじゃないのですが、それでも、「おおきなお世話だ」で角がとってあって。巧いです。 詩を丸くするのに大きな役割を果たしている、平易な単語とひらがなの割合がお見事。 509◆FEgWNVKI 有名な既存の作品(絵)を取り入れた、パロディー的な作品ですね。 しかしクレーの絵に詩のイメージを依存しきっていないところが高評価。 若い夫婦と一人娘が醸し出すやわらかな家庭の雰囲気とクレーの天使が重なりあって、 現代日本のしあわせ家族の絵がパァーッと見えてきました。 だっこで重なりあうところなんて、思わずにっこり。ちょっと甘すぎるような感じがしないでもないけど。 日那茶◆7xRRYqqU 寸評でコメントしてますが、更に付け加えて作品全体の柔らかさとは逆に、 読み手を飽きさせない一種の緊張感があって、最後までしっかりした作りを通していました。 そしてやはりキメは「おおきなお世話だ」のあの一言。文句なしです。 天竺◆FUCK/JMs すらすら読めたし、とても伝わりやすかった。状況も手に取るように見える。 全体に流れる雰囲気も統一されていて、引っかかるところがない。退屈とは別ですよ。 透明な空間のあたりも目を引き、感じるところの多い詩でした。ただ、終わり方は なんか、かわされたような感じでした。わざとかも知れませんが。 撫子さん◆eEr7LE3I イイ!んだけどさ。なんかTVCMの一場面みたいで、プロパガンダ的なものまで感じちったよ★ 純粋なようで、ひじょーに純粋じゃないんだよなー★最後はいきなり説明的。 TVタレントか誰かに「日本人はパウル・クレーが好きで」とかいわせたほうが破綻がないと思たよ。84てん。 |
準チャンプ作品 |
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