第三十四回

お題:ロボット

チャンプ作品
たもい

458 名前:しぃ婆と ろぼっとぉ 1/3 投稿日:03/05/10 22:55 ID:mbr41gaP
怒らん しぃ婆のな
顔しかめるんが、少しなもんで
皺とまぜこぜなってま、誰も気付かないのよ    

  「しぃ婆さぁ、あん土間んなるんなぁよ?」

行儀の足袋さ、尻ん下んな
しるし程度チョンと先組めとるも
薄らひげ口んとこ、柔らぁ光らせも
うつらうつら、細ぁなって愛しいしぃよ

  「寝とぉ?」

「ろぼっとぉ」
  
  「なにぃ?」

「大きい兄ちゃんさ宝もん。触ったら怒られるよ、ないない。」

459 名前:しぃ婆と ろぼっとぉ 2/3 投稿日:03/05/10 22:57 ID:mbr41gaP
そん晩、またがったんさ
兄ちゃんが、私のこと好きなも
遊びんく、楽しみんしとるも知っとう
土手ん手ぇついて、勉強のこと聞くもんで
彼女も居らんに木の鴨こさえらよて、笑ちやんた

  「明日さ、海ん行ってもええわよ」

「学校の水着、持ってきとるん?」
  
  「そん代わん条件があるのええ?」
  
「何やん、真面目ん顔で」

460 名前:しぃ婆と ろぼっとぉ 3/3 投稿日:03/05/10 23:00 ID:mbr41gaP
しぃ婆さ、手拭い持ったの
早過ぎん朝、もう洗ろた顔でな
ろぼっとぉの柔いとこ、そろりそろり
撫でんよ、拭いてぇつもりが撫でよるんな

  「しぃ婆さ、何しよるんな?」

「もう爺ちゃんやのと。婆ちゃんが、こんしたらん元気でんのやと。」

  「私、夏休みおわんの明日帰るね。なぁ、石鹸つけんでええの?」

「こぃて、湯気のんでな。」

皺とまぜこぜなってま、誰も気付かないのよ    
私が大きいなったら、撫でてもらうんさ
ろぼっとぉて言う しぃ婆が、そん時
もっともっと 小さなってんもよ
湯気ん揉んで、笑とぉよ



チャンプ作品に対する批評
Canopus◆DYj1h.j3e.
2点。
これは技能賞もの。
やわらかい方言描写のなかに、人々の息遣いがきこえてくるようです。
しぃ婆の、顔をしかめる描写が、何度読んでも、いい。
ただ、この詩には致命的な欠陥があって、この詩、ロボットいらないよね(笑)。
「しぃ婆」は、シーサーも連想しました、の2点。

ドン亀◆YdTp8oxx7.
2点。
うーむ、下のほうに関係ありか? 「ろぼっとぉ」は、何かの方言なのか?
「ちんぽ」を「ろぼっとぉ」とかいう地方がある? それゆえ全編、方言になっている?
いや、さっぱりわからん。対訳をむこうの317さんあたりにお願いしたいところだ。
わからんなりに、ムードや物語、テーマのようなもんは何となく感じた。
ちょっと昭和四十年代風? いや、わからんわからん。

激辛正当派
◆PmUYNHN29Q
2点。
んーこれはねえ、うすぼんやりしか分かんないんです。
特に中盤と後半とのつながりが。。。
その分からなさも含めて、魅力的でした。言葉がいきいきしてて。
しかしろぼっとぉて何もんなんだかサッパリ。。。でも2点。

名無しの雄◆YWbBGuPijI
2点。
土間の単車(俺、墓穴か?)を見つめる愛しいしぃ婆の視線と
更にそれを見守る主人公の温かい視線が見事に描かれていますね。





準チャンプ作品
 (2作品同点受賞)
撫子さん◆ikeEr7LE3I

437 名前:ワタシ生きています(1) 投稿日:03/05/07 22:05 ID:vSyiKHDD
(7,908)
朝 ベッドがひっくり返って
  鏡の前で油を拭い
  通常モードで他人の目に触れるワタシをつくります
  コーンポタージュとトーストを燃料に定めたのは6,034の時あたりから
  徐々に 徐々に ジョジョニ

昼 7,403から徐々に学習してきた作業は
  いまではというまでもなく身についていて
  美しく揃った動きでアイスクリームを
  一日65〜2,105の数量をコーンにかぶせます
  デパートの最上階にあるショップで
  ここがなくなっても誰も困りはしません
  つまりワタシはやらなくてもよい作業をしているのですが
  その思考は詩を書く時以外は禁止されています
  美しくいつも同じ形で工場から送られてくるコーンに
  美しくいつも同じ味で工場から送られてくるアイスクリームを
  のせるやレジを打つや掃除をするや以外のことは
  メイン店長が考える仕事なのでワタシは美しく動くだけの仕事です

夜 命令されれば遊びにもいきますが
  通常ワタシは格納庫へ帰ります
  その時々の自己を喜ばせることをします
  いまはそれがコンピューター・ゲームです
  そして自己を守るために睡眠をとりますが
  たまに自主管理装置が故障して睡眠をとりません

438 名前:ワタシ生きています(2) 投稿日:03/05/07 22:05 ID:vSyiKHDD
(10,324)
朝 ベッドがひっくり返って
  鏡の前で油を拭い
  通常モードで他人の目に触れるワタシをつくります
  ブラックコーヒーとトーストを燃料に定めたのは8,781の時あたりから
  徐々に 徐々に ジョジョニ

昼 7,403から徐々に学習してきた作業は
  いまではというまでもなくヴァージョン・アップしていて
  美しく揃った動きでアイスクリームを
  一日75〜2,550の数量をコーンにかぶせます
  自然に囲まれた遊園地内にあるショップで
  ここがなくなっても誰も困りはしません
  つまりワタシはやらなくてもよい作業をしているのですが
  その思考は詩を書く時以外は禁止されています
  美しくいつも同じ形で工場から送られてくるコーンに
  美しくいつも同じ味で工場から送られてくるアイスクリームを
  のせるやレジを打つや掃除をするや
  ショップの換金力を向上させるための計算をするやがワタシの仕事です

夜 命令すれば遊びにも連れていきますが
  通常ワタシは命令せずに格納庫へ帰ります
  その時々の自己を喜ばせることをします
  いまはそれがインターネットです
  そして自己を守るために睡眠をとりますが
  たまに自主管理装置が故障して睡眠をとりません

それでもたまに ほんのたまに 死にかけたりして
喜ぶ細胞の躍動を 心を 感じる時もあるから




快楽童子◆plhXCa4.HY

445 名前:たったそれのできごと 投稿日:03/05/08 12:39 ID:u/xZuSh6
やましたくんが しんだ
ぼくの めのまえで
こぼした きゅうしょく みたいに
……………………………………

飛ばないように押さえた体は
ネジやワッシャーよりも柔らかな組立てで
外側よりも内側に吸収材希望
はねられた朱印はスペアも無いのにここに突き刺さる

私の気泡は下へ下へ
やがて提灯野郎の食いものに
鋼鉄で覆いたい
完全無欠たる穴
やがて無知の病


記憶はどうしようもない時に甦えり
衝撃音とばらまかれた友情が


欠点のなかった君は死の瞬間にそれをさらして
ぼくのむねに つきさして
抜けない破壊衝動を私に与える
かわらないよ かわらない


…………………………………
ぼくは ころがっていた
なにかを
そっと ポケットに
いれました