第十四回
お題:味
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チャンプ作品
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犬大好き◆3JQ6Se9.
- 475 名前:河童 1 投稿日:02/09/25 04:28 ID:fh2fQMfG
宮川に真夜中がきて 鈴が鳴る 舟が出る
静かな水音をたてながら 下っていく
どこかのお姉さんの 白むく姿が
あきらめたように 揺られている
漕ぎ手は 何百年もまえから 川端町の吉崎さん
舳先には はおりはかまの まめ男
小さなかがり火が 黒い水面に落ちて
そこだけ暖かく 揺れて見える
婚礼の日の 夜は深い
私はおふとんのなかで 寝たふりをしている
また鈴の音
- 476 名前:河童 2 投稿日:02/09/25 04:29 ID:32iqZGvO
お姉さんの 白むく姿はいまごろ
度会橋のピーヤの ごん掘りに沈み
白粉をはたいた きれいなおしりから
抜かれたばかりの つるつるの玉は
青い水の底で 人肌に暖かく
桃のように しっとりと甘い
私のおしりも 抱いているのだろうか
うすいピンクの巨大パール
指のとどかない奥のほうに
まだすこし すっぱいやつ
婚礼の日の 夜は深い
私はおふとんのなかで 寝たふりをしている
また鈴の音
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チャンプ作品に対する批評 |
Canopus◆j1h.j3e.
美しいなあ。
幻想的な水の世界、闇のなかの甘美な死。固有名詞や小道具のちりばめ方も非常に上手い。
ただ、テーマとの関わりが誤爆かと思うほど薄いです。
花婿が河童である必然性も?でした。
尻子玉を抜くだけの存在に思えましたの1点。
撫子さん◆eEr7LE3I 「河童」=1点 コレはいくらなんでも「味」から外れすぎっしょ〜!★
「なんでもアリ」なお題だとは思うケド、「すっぱい」がとても強引な感じ〜★
詩の中に「味」は出て来てないも同然だとあたしは読みまちた★
でも、詩そのものは味があるよね☆ お題に合ってれば3点あげたかもな〜★
霧都◆LWQf3H.k
2点 (雰囲気がいい。)
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準チャンプ作品 (三作品同点準チャンプ受賞) |
- 466 名前:浄土 投稿日:02/09/24 01:08 ID:iLi5emfD
- ついに誤字脱字をみつけた
ゴミ袋の中に
黒くなった野菜のかけらや
肉汁のきれっぱしが
さらりとべたつくそのなかから
黄色い魚の頭をみつけて
ほんのすこし爪をおしあて
中身をえぐりだすと
清掃公社も気が付かぬほどの
ほんのわずかな狂いが
そこから白い粒となって
あふれでていった
おそらくこの太陽の中で
あたたまり発酵してゆく
これらいくつもの
乱反射していく光が
温もりだと思い依存していく
おおぜいの存在を
- 467 名前:浄土2 投稿日:02/09/24 01:08 ID:iLi5emfD
- 指をなめてみると
にがにがしい歓喜の味がした
ありふれるまでの黄金にまみれて
別に富豪や王者のようにふるまう
わけでもなく、ただにただに
ぼくらは浮遊している
如来の来迎を待ちながら
そこがどこかという検証もなく
香をたきこめる
匂い袋を持ちながら
娑婆を歩いてゆこう
そうしてすべては花のごとく!
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- 474 名前:名前はいらない 投稿日:02/09/25 02:16 ID:4ylb6h+l
- 「たわむれ」
銀紙を噛んだ
上下への負荷が大き過ぎた
歯の先から貫かれて、神経の根まで
舌にはブルーベリーガムの
爽快さだけ、しみた
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たけ◆9RQuKuak
- 477 名前:醸造 投稿日:02/09/25 04:42 ID:IX5EYE65
- 好きです
言ってはならない想い
乳先から溢れたので
緑のワインボトルに詰め
胸の底に安置した
栓が飛び悪臭を放つか
酸となり舌を刺すか
古今まれな美酒となるか
味見に来て下さいますか
14年後の8月
初めて会ったあの日に
ボトルを開けます
グラスを一個用意して
原料の糖度は申し分なし
天然ボケの天然酵母
温度は高くなく低くなく
そう 高くなく低くなく
もしも
見事酒になっていたら
ゆっくりと味わいましょう
あなたから私へ
私からあなたへ
口移しに
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