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7:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆FCwxSNTwx2 6/29 1:10

そうだ 話変わって学生の頃知り合った小さな部品工場の社長について
病気にて伏したベッドが粗末だった お見舞いと長く顔が見られなくなりそうだと思った
俺の直感からの見舞い訪問であった時分に発見したことなのだけれど最近腹を立てたことの一つだ
脳はまだまだ現役で働くらしく肉体が脳のいうことを聞かないらしい そのもどかしさは額に
縦三本に刻まれた皺を見て感じ取れた 穏やかな眼差しで俺を見ていたのだけれど
皺に付属した影に日差しが差し込んで脂汗に変化するような苦悩だ
学生の頃からずっと何かと社会常識や商業的ハウツーを教わった一俺の恩師
縁があるのか困った時何故か俺は彼に電話していた
出した答えをいつでもはっきりさせる如くに
「おい おまえは自立心が旺盛で意志が強すぎでどきつすぎるからたまに身近な人に甘えることを忘れるな」
また同じ事を言われた
甘えるのも下手な俺に 病人とも認識させない差すような目で俺に忠告するのだ
彼は不器用な人でもあり孤独な人でもあるけれど仕事という範囲でのみならば
一代で大成した人間であり俺が尊敬する理由の一つに
その限られた中の有能について哲学的発想に基づいて行動思考する人物だったからだ
生きる知恵満載な
しかし
家族や実生活の面ではべらぼうに幸せといわれるものからは縁遠いものだ
ベッドや寝具にこだわらない彼がやや不憫で小さくかよわげに見えて怒りが込み上げてきた
俺は息子のように彼を慕ったけれど
彼ふさわしいベッドなど売っていない事くらいはわかる年令になった
輝かしく颯爽と社内作業所で部品の設計をみせながら商談していた 社長と
彼は
身体という器と目の落差を覚えつつももどかしく作り笑いもせずに厳格な表情で俺を迎えそして
読書は好きなはずで少しでも楽しんでもらいたいと思い書いたのだけれど
俺が書いたちょっとした小話を読んだ感想後にただこう告げた
「傍からみりゃさみしいひとりもんだがなどの場面でも真剣に選んだ結果は一人になるってもんでそもそも一人が……」
そう言いながら優しく笑った
一人がの後の言葉は言われなくとも知っていた 俺だ
彼に読んで欲しくて書いた話は絶望の次にある光の話だった
この次はベッド話を書いてみようと思う
地位や名誉に勝る
晩年のベッド まるたんぼうを並べてごっついオリジナルベッドをポンとプレゼント出来る財力と希望が欲しいな
切実に偽りのない表情は離れても残像として残る
強く

ir ver 1.0 beta2.2 (03/10/22)